こんにちは。院長の涌島です。梅雨の季節となり、雨の日が多くなってきましたね。せっかく洗濯をしても、部屋干しするしかなく「ちょっと臭いが気になる」ということもしばしばあります。
あの臭いは、衣類や洗濯槽についた、雑菌が繁殖した結果生じるため、洗濯槽をこまめに掃除したり、洗濯前に衣類を60度の熱湯に浸けておいたりすると、抑えられるそうです。
ご家庭のなかには、ほかにも菌の繁殖しやすい場所がたくさんあります。たとえば、キッチンやお風呂場の排水口に、「ぬるぬるとした不快な粘膜」が付着しているのを見たことはありませんか?
あの粘膜は『バイオフィルム』といって、細菌のかたまりなのですが、実はあれと同じものが、皆さんのお口にもこびり付いてしまうのをご存じでしょうか?
お口の中に排水口と同じものが…!?
バイオフィルムとは、細菌同士が集まり膜に覆われた、細菌の集合体です。
私たちが食事をすると、その「食べかす」を餌として、むし歯菌や歯周病菌が増殖します。
その際に、だ液の糖タンパクと結びついて作られるのが『プラーク』です。
なんと、プラークには1mgあたり1億個もの細菌が存在しており、放っておくと「ぬるぬるとした強固な膜」を作り出します。
そう、私たちの歯にもできてしまう「ぬるぬる」もまた、排水口と同じ『バイオフィルム』なのです。
バイオフィルムはこんなに強固!
バイオフィルムは一度形成されると菌を守るバリアのようになり、除去するのがとても困難になってしまいます。
通常、お口の中は「だ液」によって、ある程度は殺菌されていますが、バイオフィルムができてしまうと、その膜に阻まれて細菌には届きません。
また、抗薬液なども、その効果を発揮するためにはバイオフィルムを剥がすことが必要不可欠です。
ところが厄介なことに、一般的なブラッシングではバイオフィルムを取り除くことができないのです。
歯科で定期的なプロケアを!
歯みがきなどでは取り除けないバイオフィルムを除去する唯一の方法が、歯科でプロによるクリーニングを受けることです。
歯科医院では専門の器具を使って、歯石はもちろん、こうしたバイオフィルムもしっかりとクリーニングを行うことができます。
バイオフィルムの内側は細菌にとって最適な環境が保たれているため、放っておくと、どんどん繁殖します。
むし歯や歯周病などが悪化する原因になり、そこから全身疾患に繋がる恐れもあるため、数か月に一度は歯科医院に通って、お口の中を綺麗に保ちましょう!